新技術は生産コストに見合うか 6
遺伝子に目的の仕事をさせるうえでの基本的な問題は、すでにその多くが克服されています。
問うべきことがらは「可能かどうか」か「やってみる価値があるかどうか」へと移ってきたからです。
技術上の問題がすでに過去のものとなったというのではありません。
大腸菌に簡単なタンパク質をつくらせるといった比較的簡単な遺伝子操作でさえも、ときとして思いもよらない障壁に出くわして、計画が著しく困難になったりすることもあります。
また、頓挫したりすることも・・・。
しかし、今では頼るべき豊富な経験があります。
信頼できる手法を用いれば、計画がうまくいく可能性は高いのです。
次の問題はもちろん、それが引き合うかどうかです。
産業にかかわる遺伝子工学の将来については、経済上の問題とともに、一連の法律上の問題ももちあがります。
遺伝子操作を産業プロセスに応用するプロジェクトのどれを実行に移すかの決定に際して、このような問題の重要性がますます大きくなっています。
最初に持ち上がったのは、安全性の問題です。
1975年当時、安全性は人々の心を占める関心事の最たるものでした。
というのは、この新しい技術がどのような力を秘めているのか、誰にもよくわからなかったからです。
組み換え遺伝子実験の一時的な棚上げ状態の中で、すべての研究はしばらくの間中止され、その後、研究はすべて密閉された実験室の中で行うことが義務づけられました。
その室のなかで、組み換え遺伝子はプルトニウム並に注意深く管理されたのです。