新技術は生産コストに見合うか 4
ICI社は、すでに豊富な経験を有している化学プロセスに細菌を利用するという長期プロジェクトの一環として、最適細菌を発見する作業に遺伝子工学技術を駆使しました。
しかし、長年にわたり大規模化学施設を操業してきた実績がなければ、このプロジェクトに成算はなかったでしょう。
実際、同社のプラントは年間生産量100万トン以下のごく小規模のものでしたが、投資総額は5000万ポンドに達する複雑な事業でした。
細菌を培養する中央容器のコストだけでも750万ポンドです。
そこに細菌を送り入れ、家畜用飼料に変える「下流」の処理設備に培養物を送り出すバルブや配管類はすべてコンピューターで制御する必要がありました。
ICI社は、このプラントの操業を採算点ぎりぎりと見ています。
その理由として、巨額な研究投資(14年間にわたり、さらに4000万ポンド)、エネルギーとメタノールのコスト増を招いた、プロジェクト期間中の石油価格の上昇、政治上の問題などをあげています。
プルティーンは米国の大豆系飼料と直接競合します。
1970年代の後半、ICI社はもっと大規模のプラントを建設する許可を求めて運動を展開しました。
そのとき、カーター大統領が1980年の大統領選を前にして絶対に推奨したくなかったものは、彼の地元の主要農作物のひとつに競合する製品でした。