新技術は生産コストに見合うか 2
ある酵素を産生する細菌を手に入れ、次にその酵素を化学薬品と同様に使用するといった「妥協的な」操作がときとして好まれるのは、このような理由からである細菌の増殖条件と最終製品の理想的生産条件が同じである必要はないのです。
・・・つまり、2つのプロセスを別々に行うわけです。
遺伝子工学の商業的応用の最初の成功例は、まさにそのようなプロジェクトでした。
このときつくった大腸菌は、DNAリガーゼという酵素(DNA分子同士を結合する酵素)の遺伝子を体内にもっていました。
遺伝子自体は、大腸菌ウイルスに由来するものでした。
遺伝子操作により、このDNAリガーゼ遺伝子を効率よく働くプロモーターの隣りに組み込んだのです。
このプロジェクトは、1つの組換えDNA研究の成果がいかに次の研究を進める新しい手法を提供するかを如実に物語っています。
この場合には、DNAリガーゼが、高価で希少な酵素から安くて入手の容易な製品へと変わりました。