遺伝子工学の応用 2
酵素関連の分野では、酵素をはじめて製糖に利用したテイト・アンド・ライル社の研究があげられます。
彼らは、身近な家庭用グラニュー糖に加えて、食品業界向けの一連の特殊な糖製品を生産しました。
これらの糖製品は、従来の方法でも支障なく生産できますが、組換えDNAを利用すれば、一部の糖製品を安価に生産できる酵素が得られます。
このように、遺伝子工学技術は、既存プロセスの諸経費を低減するという、華やかさはありませんが高収益に結びつく側面にも利用されています。
分子生物学を食品の生産に応用したのは、彼らだけではありません。
多くの製品が遺伝子工学の研究者の目標になりえます。
たとえば、食品添加物の商業生産に使用している微生物の酵素含量を変化させることもその1つです。
その点で期待されるのは、変異させた微生物が、生産物質をより速く、より効率的につくり出すようになることです。
目下の研究対象は、グルタミン酸(年間約10万トンが発酵法で生産されており、そのほとんどが極東地域で広く使用されている調味料グルタミン酸モノナトリウムの原料)、アミノ酸の一種であるリジン(約80パーセントが発酵法でつくられています。
(発酵法とは、酵母または細菌の代謝を利用するプロセスです。
ブドウの果汁を発酵してワインをつくるプロセスがその代表例です)。